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将棋と本についてのメモ

『大阪――大都市は国家を超えるか』

 

 行政学の面から大阪を扱う本。

大阪―大都市は国家を超えるか (中公新書)

大阪―大都市は国家を超えるか (中公新書)

 

 

 

【目次】

はじめに [i-viii]

大都市「大阪」の来歴/「大阪都構想」と大都市の役割/本書の構成

目次 [ix-xiv]

 

第I章 大都市の成立と三つの対立軸――問題の根源 003

1 自治の確立――三市特例から六大都市へ 003

大都市のイメージ/市制施行と有力者による支配/三市特例とその廃止/市長の役割をめぐる論争/都市官僚制の成立/国家事業から都市計画へ

2 国家への挑戦――特別市運動と東京都制 016

拡張する大都市/「大大阪」へ――全国最大の都市に/特別市運動の論点――府県監督への不満/東京の特殊性/東京都制の成立と特別市運動の挫折

3 挫折と埋没――「特別」でない都市へ 028

特別市制と残存区域問題/府県と大都市の対立――政令指定都市制度へ/財政調整制度の導入――都市から農村への分配/伸長性を持つ財源の喪失/全国計画のなかの大都市/大阪市の位置づけ

 

第II章 都市問題と政治――先進地域としての縮図 041

1 大都市が抱える宿痾 041

都市の改造と「貧民」の排除/釜ヶ崎形成の起点/戦前の産業公害/公害の激化――府と市の権限争い/先頭を走った大阪市――都市計画と都市官僚制/権限と財源の制約

2 革新勢力の台頭と退潮 052

革新勢力の源流/統一戦線の挫折/一九五五年体制下の停滞/革新自治体の時代――黒田了一の府知事就任/革新の衰退――社共共闘の瓦解/都市官僚制との距離

3 自民党長期政権下の大都市――進む多党化 064

「保守の危機」と自民党の対応/「都市政策大綱」という提案/多党化とその影響/大都市は「搾取」されてきたか/選挙制度の歪みと「自民党システム」

 

第III章 未完の再編成――拡張の模索 079

1 大阪市域の固定化と都市基盤の整備 079

揺らぐ都道府県境界/広域行政と府県合併/大阪市域拡張の試み――中馬馨の挑戦/大阪府による「機能分担」の主張/戦災復興から万博へ/臨海部への拡張

2 行き詰まる大阪 093

府による開発――大阪府企業局/開発事業の重複/人口流入の終焉/再開発事業の過剰な競合/リーダーシップ欠如の象徴/「スラム」から貧困問題へ/整理できない密集市街地

3 浮上する大都市――二〇〇〇年以降の都市回帰 107

「世界都市」への挑戦と挫折/都市への回帰/「自民党システム」の動揺/地方分権改革――溶解する自民党の基盤/補助金削減と財源移譲/顕在化する都市と農村との対立

 

第IV章 改革の時代――転換期に現れた橋下徹 123

1 遅れてきた改革派 123

「相乗り」と「無党派」/「納税者の論理」による行政改革大阪府の転落/無党派知事横山ノック大阪府政の安定と継続/チェック機能の弱体化/橋下徹の登場

2 「橋下改革」――論点と対立構図の推移 139

圧勝からの改革/国への働きかけ/水道事業統合問題/WTC庁舎移転問題/府議自民党の分裂/大阪府大阪市の再編構想/「大阪都構想

3 「大阪維新の会」結成――地方政党という戦略 156

新党結成と府市議会議員の参加/対立構図の確定――既存政党と大阪市長統一地方選挙の戦略/大阪維新の会の圧勝/ダブル選挙という手法/高投票率での勝利/ローカル・ポリティクスの“全国化”

 

第V章 大都市のゆくえ――ふたつの論理の相克 173

1 制度改革の条件 173

市長対議会/大都市の位置づけ/革新自治体との比較/都市の政党というポジション/政党再編成の可能性/ふたつのハードル――参議院と東京都政

2 大都市制度の設計――争点とその対応 185

都市への配慮は可能か/現行制度下の限界/都市の自律――府県と政令指定都市の統合/地域限定の分権改革/大きすぎる大都市

3 都市をめぐるふたつの論理 198

企業体としての大都市/フロンティアは残っているか/もうひとつの「大阪都構想」/「都市官僚制の論理」と「納税者の論理」/ふたつの論理のトレードオフ/「大阪都構想」が浮き彫りにするもの

 

終章 「大阪」の選択に向けて 211

大阪都構想」を支えた状況変化/都市における政党政治の創出を/国家と大都市/政治的な寓話との訣別

 

あとがき(二〇一二年一〇月 砂原庸介) [223-228]

註記 [229-240]

参考文献・図表出典一覧 [241-247]

歴代大阪府知事・市長  [249]

大阪関連年表 [250-254]