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激増書庫

将棋と本についてのメモ

『テレビの日本語』

 

『テレビの日本語』(加藤昌男 岩波新書 2012)

著者:加藤昌男(1943-) 元アナウンサー。 

内容:報道のことば、公共物としてのテレビ放送を考える。言葉遣いから共通語まで、触れる話題は広め。

テレビの日本語 (岩波新書)

テレビの日本語 (岩波新書)

 

 

 

【目次】
はじめに [i-iv]
目次 [v-viii]

 

序 章 テレビが息をのんだ「3・11」 001

コマーシャルが消えた三日間/不用意な「ご覧いただく」の連発/穏やかな「です.ます」から刺激的な「である」調へ/結局、賑やかなメディアに戻ったテレビ/一年後、テレビはこぞって「あの日」を特集

第1章 テレビのことばはこう作られる 011

1 不特定多数に伝わる「音のことば」 012
テレビのことばの条件/どこの、だれが聞いても理解できる「共通語」/どんな立場の人でも納得できることば/人を傷つけたり、不快感を与えないことば/経を使う商品名の扱い
2 新人アナウンサーに必要な日本語力 019
「放送で、情報を、ことばで伝えるプロ」/明瞭な声、正確な発音は“基礎体力”/「音の日本語」には約束ごとが多い/必要なのは「取材力」「構成力」「表現力」
3 ニュース原稿ができるまで 027
「話しことば」で書かれるニュース原稿/取材した情報は、まず「文字」で共有/確さと明快さを両立させた簡潔な表現/「結論を先に、センテンスは短く」が鉄則
4 ことばの“品質”はだれが保つのか 034
基本は表現者の感性と倫理観/不見識なテロップ「セシウムさん」/取材カメラが置かれたところは全て“公”の場/問われる政治家の発言と取材側の姿勢

第2章 時代を映すテレビのことば 041

1 テレビはどこまで饒舌に 042
早口化したテレビ~分速三○○字から四○○字へ~/のべつ幕なしにしゃべるトーク番組/隙間を作らない音声の洪水/画面も字幕も賑やかに/聴覚障害者の要望から始まった「文字放送」/バラエティー番組の饒舌な字幕
2 技術革新と軽量路線がことばを変えた 051
“よそ行き”の世界から“ふだん着”のおしゃべりへ/大衆化を加速した小型ビデオ機器/ビデオ技術がニュースのことばを変えた/おしゃべり、雑談が飛び交う“ごった煮”のメディアに/“軽チャー路線”が生んだことばの洪水/「やぱい」が表舞台に出てきた事情/カタカナ、ローマ字、記号ずくめの番組タイトル
3 テレビにみる“日本語の乱れ” 061
「日本語は乱れている」が八割/子どもへの影響は「親」より「テレビ」/テレビが広めた新語、造語、流行語/次々に登場する気象の新語/耳障りな業界語、俗語、短縮ことば/あいまいさを増す「若者ことば」
4 日本語の音声はただいま変身中? 071
変わりつつある文法、発音、言いまわし/「ら抜きことば」はやがて定着?/鼻濁音「ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ」は消えていく?/平らになるアクセント
5 大事件を他人事と感じさせることば 080
“奇跡のドラマ”の観客席/視聴者を釘付けにした「あさま山荘事件」/生映像で目撃した「9・11同時多発テロ」/地球の反対側の「チリ鉱山の作業員救出」/そして、「東日本大震災

第3章 ニュース文体はこう変わってきた 089

1 それは「耳のコトバ」から始まった 090

体言止め、断定調が増えたニュース/だれが聞いても一度で分かる「耳のコトバ」/「全国共通話しことば」の模索/ニュースの基調は「です・ます」だった/「読み原稿」に「静止画」を添えた初期のニュース
2 「読む」ニュースから「話す」ニュースへ 100
ニュースショー、ワイドショー続々登場/「ニュースセンター9時」が報道を変えた/“現場主義”“当事者主義”を掲げた編集方針/「アナウンサー調」「読み口調」の見直し
3 キャスターニュースが主流に 109
キャスターの条件/多彩な経歴のキャスター/女性キャスターの躍進/プロンプターが口調を変えた
4 “見せる演出”が文体を変えた 119
「プロジエクトX」のナレーション口調/大震災報道にみるニュース文体の変化/体言止め、断定調がはやるわけ/ことばの洪水の中で変化してきた文体

第4章 災害報道のことば 131
1 「東日本大震災」はこう伝えられた 132
緊急地震速報から大津波警報へ/目立ち始めた不用意なコメント/タレントにも求められることばの選択/被災者のことばの重み/被災地に響く園児たちの歌声/テレビはどれだけ頼りになったか
2 原発事故報道を点検する 143
原発の仕組み自体の難解さ/専門用語のオンパレード/要領を得ない記者会見/報じる側の知識、経験、力量不足
3 「阪神・淡路大震災」以来の教訓 151
被災報道は確かなことばで/震源地から初のBS生中継、そこに強烈な余震~「長野県西部地震」~/激しい揺れ!まず「火」「水」「木」を念頭に/深夜に繰り返される緊急放送訓練
4 災害列島・被災者が語ったことば 161
梅雨末期の大豪雨~「長崎水害」~/翌年の同じ日、今度は山陰の山地に豪雨が~「山陰水害」~/一九八年目の大噴火~「雲仙普賢岳噴火」~/地図の表示を変える自然の猛威

第5章 報道現場でのことばの選択 173

1 “理”のないリポーターは単なる運搬係り〔ポーター〕 174

無人島にも「理科」と「社会科」の視点が/“現場”で得た情報を端的な「ことば」に/「地下」にも「水面下」にも情報はある
2 ビデオ編集のうらおもて 182
「画」と「音」と「時間」の組み合わせ/短いことばのインパクト/切り取り方で受け止め方が変わる/相手の本音を聞き出すインタビュー
3 選挙報道の舞台裏 189
国民参加の同時進行政治ドキュメント/「浮動票」は有権者に、「無名の新人」は候補者に失礼/「出口調査」は判断材料の一つ/「タテ」と「ヨコ」と、「全体」を見渡す瞬発力
4 取材ドキュメント「昭和が終わった日」 200
崩御」か「ご逝去」か……“その時”を報じることば/官邸詰めの一一一日間/昭和末期の政治課題「リクルート」と「消費税」/「昭和六四年一月七日」/新元号は「平成」に

終 章 デジタル時代のことばの行方 211
1 情報機器が日本語を変える? 211
2 テレビは日本語の規範たりうるか 218

 

あとがき(二〇一二年六月 加藤昌男) [223-226]

参考文献・参考番組 [227-234]
年表 [07-10]
索引 [01-06]