夏の準備のために休みと予算が減っていく。
必然的に趣味に使えるお金が少ない状態になるので、古本市場とBOOK・OFFへ行ってきた。もちろん買うのが目的です。
〇ここ2日で買った本。最初の三冊は、私が勉強を教えている生徒向けに見繕った品。もうすぐ夏休みらしい。
『海からの贈物』(新潮文庫 1955→1967)
『生命とは何だろう?』(集英社 2013)
『のうだま2』 (幻冬舎文庫 2016)
『絶望の裁判所』(講談社現代新書 2014)
『救命センター当直日誌』(集英社文庫 2001→2004)
〇次に今週読んだ本。図書館や本棚から。
『テーマ別英単語 academic 上級 01 人文・社会科学編』(Z会 2009)
面白い英語教材。再読し、佐和先生の文章が素材に使用されていることに気付いた。該当箇所は、この本の第2章の四本目。“Market fundamentalism ”(市場原理主義)という見出しで英文と訳例が掲げられている。出典は “The Japan Times”, Aug. 5, 2003 に掲載
されたHow the reforms have failed という論説。経済思想というか、スミスやケインズだけを軽く紹介したうえで、サッチャーや小泉の推進する改革の性質を読者に確認させて、市場原理主義の副作用をやや強調するという内容だった。これが書かれたのは小泉政権の時期にあたる。
『ジェンダー/セクシュアリティ』(岩波書店 2000)
昔読んだときは激ムズだったはずが、今読むとわりとわかる。はしょって説明すると、8割哲学。
『恩と義理――社会学的研究』(アサヒ社 1970)
ある論文の参考文献に本書があがっていたので、つまみ食いした。
『アメリカの鏡・日本』(色々 1948→1995)
評判のわりに面白く無いんですねこれが。
『イスラーム 〈1冊でわかる〉シリーズ』(岩波書店 1998→2004)
常識目線の概説書。
私が説明するより具体例を見た方が早いので、29頁から引用。
“しばしばマスメディアをにぎわしている復興主義者の運動は近代的なものである。それは、銃やロケット砲や爆弾の使用に加えて、高度に発達した組織づくりの技術を含めた方法論を持っているからというだけではない。
彼らが近代的なのは、イスラームの知的伝統の外部から輸入された多くの思想を「伝統的」なイスラーム論の中に採りいれている点においててある。スーフィー教団に代表される伝統的な精神のあり方が衰退したのに伴って、政治的レベルでイスラームの「イデオロギー化」が生じた。イスラームの歴史的蓄積の中からシンボルとなるものを選び出す一方で、その他のものを排除することによって、政治的イデオロギーが形成されたのである。
このイデオロギーは「イスラム原理主義(Islamic fundamentalism)」と呼ばれることもあるが、イスラーム主義(Islamism)と表現する方が正しい。communism〔共産主義〕がcommune〔共同体〕という現実のイデオロギー化であり、〔……〕アラビア語の原語(islam)に結合されたラテン語の接尾辞(ーism)は、先行して存在する現実が政治的イデオロギーへと翻訳されたものであるという関係性をより正しく表現している。”